『ソーシャルインパクト―価値共創(CSV)が企業・ビジネス・働き方を変える』

人のつながり(ソーシャル)という資源を、ビジネスに活かせていますか?
「つながりのネットワーク」を機能させ、価値共創の好循環を生み出す、ソーシャルインパクト。
その戦略的な実践事例が、企業、自治体、NPOなどの垣根を越えて、いま日本中で続々と現れてきています。
本書では、他人ごとの空気を変え、共感の連鎖を巻き起こしたそんな約20社の取り組みから、
ソーシャルインパクトが変える、市場・マーケティング・働き方・組織のあり方、
そしてチームの創り方を解説・紹介します。


―約20社の挑戦! ―
● ヤマトHDの地域活性化支援「プロジェクトG」
● 武雄市図書館「市民価値を共創する公共施設」
● フェリシモ「フェリシモ猫部」
● 大垣共立銀行「コンビニ型店舗・ドライブスルー型店舗」
● 資生堂「未来椿活動」
● 王子ネピア「nepia千のトイレプロジェクト」
● アールプロジェクト「遊休施設の市場創造」
● ワクワーク・イングリッシュ「フィリピンで100のワクワク事業を創る」
● 日本マイクロソフト「東日本大震災被災地支援」
● ヤフー「社員食堂BASE6」ほか

978-4-7825-3393-2-si
「価値の共有」による新たなイノベーション!
ジャンル
一般・その他  
タイトル
ソーシャルインパクト
サブタイトル
価値共創(CSV)が企業・ビジネス・働き方を変える
著者・編者・訳者
玉村雅敏編著 横田浩一・上木原弘修・池本修悟著
発行年月日
2014年 7月 31日
定価
1,980円
ISBN
ISBN978-4-7825-3393-2 C0034
判型
四六判並製
頁数
312ページ

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著者・編者・訳者紹介

【編著者プロフィール】
玉村雅敏(たまむら・まさとし)
慶應義塾大学総合政策学部准教授
慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学院政策・メディア研究科博士課程、千葉商科大学政策情報学部助教授を経て現職。博士(政策・メディア)。新潟市政策改革本部アドバイザー、文部科学省科学技術・学術政策研究所客員研究官、横須賀市政策研究専門委員、内閣官房地域活性化伝道師などを兼務。専門分野はソーシャルマーケティング、公共経営など。主な著書に『地域を変えるミュージアム-未来を育む場のデザイン』(英治出版・編著、2013年)、『住民幸福度に基づく都市の実力評価』(時事通信社・共著、2012年)、『社会イノベータへの招待』(慶應義塾大学出版会・共著、2010年)、『コミュニティ科学-技術と社会のイノベーション』(勁草書房・編著、2009年)、『行政マーケティングの時代-生活者起点の公共経営デザイン』(第一法規、2005年)など。

【著者プロフィール】
横田浩一(よこた・こういち)
横田アソシエイツ代表取締役、流通科学大学特任教授
早稲田大学卒業。日本経済新聞社を経て、2011年より現職。および公益社団法人日本経済研究センター特任研究員。共著書に『愛される会社のつくり方』(石井淳蔵・横田浩一、碩学舎、2014年)、『グローバル・ブランディング』(松浦祥子編著、碩学舎、2014年)、『コーポレートブランド格闘記』(石井淳蔵・横田浩一、日本経済新聞出版社、2007年)、『新富裕層の消費分析』(横田浩一ほか、日本経済新聞出版社、2006年)など。

上木原弘修(うえきはら・ひろのぶ)
博報堂PR戦略局シニアマーケティングデイレクター
東京大学卒業。1983年株式会社博報堂入社。第一MD局チームリーダー、MD戦略推進局グループマネジャー、タッチポイントプラニンググループマネジャーを経て、現在に至る。共著翻訳は、『「学ぶ、考える、話しあう」討論型世論調査』(共著、ソトコト新書、2013年)、『ドン・シュルツの統合マーケティング』(共訳、ダイヤモンド社、2005年)、『コンセプトノート96』(共著、PHP、1996年)。日本広告学会会員。日本広報学会会員。一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム理事。

池本修悟(いけもと・しゅうご)
一般社団法人ユニバーサル志縁社会創造センター専務理事、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン副代表
慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。他に一般社団法人社会創発塾代表理事、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、特定非営利活動法人創造支援工房フェイス代表理事を務める。共著書に『共助と連帯―労働者自主福祉の課題と展望』(高木郁朗・池本修悟、第一書林、2010年)

内容

人のつながり(ソーシャル)という資源を、ビジネスに活かせていますか?
「つながりのネットワーク」を機能させ、価値共創の好循環を生み出す、ソーシャルインパクト。その戦略的な実践事例が、企業、自治体、NPOなどの垣根を越えて、いま日本中で続々と現れてきています。
本書では、他人ごとの空気を変え、共感の連鎖を巻き起こしたそんな約20社の取り組みから、ソーシャルインパクトが変える、市場・マーケティング・働き方・組織のあり方、そしてチームの創り方を解説・紹介します。

目次

はじめに――ソーシャルインパクトの時代  1
ソーシャルは経営資源?/社会課題は「つながり」の課題/共感の連鎖が価値を高める/「つながりのネットワーク」とソーシャルインパクト/ソーシャルインパクトは市場・マーケティング・働き方・組織・チームを変える


第1章 ソーシャルインパクトという選択  19

1.「困りごと」はビジネスチャンス
「プロジェクトG」――ヤマトグループがビジネスで取り組む地域活性化支援/企業活動と社会貢献は両立できるか?/ビジネスモデルの新しいかたち
2.三方よしの「ビジネスモデル」のデザイン
武雄市図書館の挑戦/三方よしのビジネスモデル
3.ソーシャルインパクト戦略
顧客満足(CS)志向からソーシャルインパクト(SI)志向へ/ソーシャルは5つ目の経営評価の軸/生産性を上げるソーシャル・キャピタルのチカラ/自分ごと・みんなごと・世の中ごとの連鎖関係


第2章 ソーシャルインパクトは市場を創造する  53


1.自分ごと化・みんなごと化・世の中ごと化の好循環
「みんな」が求めるニーズの大きな変化/ソーシャルインパクトの3つの関係先/変わる「他人ごと」のマーケティング/自分ごと化を促す「エンゲージメント戦略」/共創型の戦略アプローチ/ソーシャルインパクト戦略は市場をつくる
2.自治体と企業が共創するパブリックサービス市場
コンソーシアム(連合)ビジネスの潮流――ヤマトホールディングスのCSV/東日本大震災時の「宅急便1個につき10円の寄付」/高知県大豊町「生涯生活支援サービス」のビジネスモデル/「限界自治体」による生き残りへの挑戦/「セールスドライバー」という地域のパートナー/「社会インフラ企業たるべし」
3.世の中ごと化で遊休施設の市場創造
遊休施設を再生させた、アールプロジェクトの挑戦/2000億〜4000億円の市場を発見!/合宿所からバックパッカー施設へ/ビジネスで遊休施設の活用に挑戦/地域からイノベーションが生まれる時代
■第2章のポイント


第3章 ソーシャルインパクトでマーケティングが変わる  107

1.生活者参加型・共創型のマーケティング
共創型のマーケティングへ/コーズ・リレーテッド・マーケティングの先導事例――王子ネピア「nepia千のトイレプロジェクト」/なぜ、東ティモールであり、トイレなのか?/生活者参加型のコミュニケーションの採用/プロジェクトがもたらした2つのマーケティング効果/「排泄」の意味をとことん追求/ソーシャルインパクトのマーケティング効果を検証/自分で実行できる規模からはじめる/社外のビジネスパートナーを巻き込む/企業内の承認プロセスで大事な2つのポイント
2.地域や生活者とともにつくる共創型の商品・サービス開発
「地域に貢献するサービス業」としての大垣共立銀行のチャレンジ/「規格外」に応えるために、金融をサービス業に/行員の多様性を生み出す1年間の研修制度/商品・サービス開発は常識への挑戦/大垣共立銀行という「経験価値」を提供する場づくり/顧客目線や生活者起点の進化が生み出す「みんなでつくるビジネスモデル」
3.つながりが生み出す新しい事業と会社のかたち
つながりを活性化させ、自発性を引き出すソーシャルインパクト戦略/カタログ通販会社、フェリシモの部活/「フェリシモ猫部」とは?/猫部の4つのモットー/フェリシモのユニークな部活動/フェリシモが部活をつくった理由/新しい事業の探索・開発の方法/事業性、独創性、社会性の3つの輪/神戸市に本社を置く企業として
■第3章のポイント


第4章 ソーシャルインパクト時代の働き方  181

1.活力を失う会社と閉塞感――外発的動機づけの限界
ソーシャルインパクトが迫る「働き方の変化」/活力を失う企業の現場① 心身ともに疲弊する中堅社員/活力を失う企業の現場② いちばん早く会社に来て、いちばん遅く帰る管理職/活力を失う企業の現場③ 将来が展望できない若手社員/活力を失う企業の現場④ 定年延長で老後も仕事/なぜ、会社に閉塞感が漂うのか?
2.「世の中ごと」を仕事にするーー内発的動機づけに基づくモチベーション
若者の自立を支援するNPOで働く――育て上げネットの井村良英さん/バイオベンチャーを経営する研究者――アミンファーマ研究所の片桐大輔さん/「モチベーション3・0」に基づく働き方
3.「自分ごと」と「みんなごと」を結ぶことで会社のつながりを活性化
博報堂のCSRに認定された活動――つながってmealの松澤巧さん/会社をひとつにする有志の活動――ワンパナソニックの濱松誠さん
4.自分ごと・みんなごと・世の中ごとの好循環がある働き方
「フロー状態」を生み出し、持続的に機能させる


第5章 ソーシャルインパクト時代の組織づくり  225

1.組織や働き方における「みんなごと」のチカラ
「働きがい」と「働きやすさ」/会社の方向性と従業員の目的が明確であること
2.社会貢献活動で、会社を世の中ごと化する
資生堂の社会貢献活動「未来椿活動」――企業理念を浸透させるには/認知、共感、実践の3ステップで理念を浸透
3.「働く幸せを提供する場」としての会社
「知的障がい者が働く会社がひとつぐらいあっていい」――日本理化学工業/会社は従業員に働く幸せを提供する場
4.働き方の価値観の多様化を促すシステム
働き方をブランド化し、離職率を低減――サイボウズの人事制度
■第4章・5章のポイント


第6章 ソーシャルインパクトを起こすチームのつくり方  261

1.チームとは何か?
チームはイノベーションとアントレプレナーシップの土壌/チームは共通の枠組みを共有する/チームを通じて学び合い、チームも個人も成長する/主体性と相互作用の相乗効果
2.ミッションを世の中ごと化し、チームを活性化
「課題解決エンジン」をめざすヤフー/オフィスの外につくる社員食堂/イノベーティブな縁側づくり/チームを通じて学び合い、個人が成長していく/社会の課題を解決する「ソーシャルアクション室」
3.ドリームチームのつくり方
ドリームチームとなる5つの条件/結束が固く、安定し、メンバーが支え合うグローバルなチーム――日本マイクロソフト/徹底的なスタッフ間のライフストーリーの共有――ワクワーク・イングリッシュ①/みんなですべての場をつくる――ワクワーク・イングリッシュ②
■第6章のポイント


おわりに
参考文献
カテゴリ[一般書・ビジネス書]関連書籍
関連情報
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