『メディアの罠』

「ウソ」だらけの報道は構造的に生み出されていた!

内幕を知るジャーナリストたちが、大メディアの危機の本質を語り尽くす!

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「ウソ」だらけの報道は構造的に生み出されていた! 内幕を知るジャーナリストたちが、 大メディアの危機の本質を語り尽くす!
ジャンル
vita  
タイトル
メディアの罠
サブタイトル
権力に加担する新聞・テレビの深層
著者・編者・訳者
青木理・神保哲生・高田昌幸著
発行年月日
2012年 2月 20日
定価
1,650円
ISBN
ISBN978-4-7825-7000-5 C0331
判型
四六判並製
頁数
360ページ

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著者・編者・訳者紹介

青木 理(あおき・おさむ)

ジャーナリスト。1966年長野県生まれ。1990年、慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。大阪社会部などを経て東京社会部で警視庁警備・公安担当などを歴任。

2002〜2006年、ソウル特派員。社会部在籍中に発表した『日本の公安警察』がベストセラーとなる。2006年に共同通信社を退社しフリー 。現在、テレビ朝日系列「モーニングバード」のコメンテーター、CS朝日ニュースター「ニュース解説・青木理の眼」キャスター等としても活躍中。

著書に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(講談社現代新書)、『国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(金曜日)、『絞首刑』(講談社) 、『ルポ 拉致と人々〜救う会、公安警察、朝鮮総聯』(岩波書店)。共著に『調査報道がジャーナリズムを変える』(花伝社)、『国家と情報〜警視庁公安部「イスラム捜査」資料流出事件』(現代書館)など。最新刊に『トラオ〜不随の病院王・徳田虎雄』(小学館)がある。

神保 哲生(じんぼう・てつお)

ビデオジャーナリスト。1961年東京都生まれ。国際基督教大学(ICU)卒業。1986年、コロンビア大学ジャーナリズム大学院卒業後、AP通信など米報道機関記者を経て1999年日本初の独立系インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を設立。同局報道番組キャスターのほか、CS朝日ニュースター「ニュース解説・神保哲生の眼」、TBSラジオ「Dig」などでもキャスターを務める。

著書に『ツバル-地球温暖化に沈む島』(春秋社)、『地雷リポート』(築地書館)『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか』(ダイヤモンド社)など。宮台真司との共著に『漂流するメディア政治』(春秋社)、『天皇と日本のナショナリズム』(春秋社)などがある。

高田 昌幸(たかだ・まさゆき)

ジャーナリスト。1960年高知県生まれ。法政大学卒業後、1986年北海道新聞社入社。本社報道本部次長、東京支社国際部編集委員、ロンドン支局長、東京支社国際部次長などを経て、2011年6月末退社。

2004年、取材班代表として「北海道警の裏金問題取材」で新聞協会賞、JCJ大賞、菊池寛賞、新聞労連ジャーナリスト大賞を受賞。早くから記者クラブの自由化を提唱している。

共著に『追及・北海道警「裏金」疑惑』日本警察と裏金 底なしの腐敗』(以上、講談社)、『警察幹部を逮捕せよ!―泥沼の裏金作り』(旬報社、筆名は「北海道新聞取材班」)、『ブログ・ジャーナリズム…300万人のメディア』(野良舎)。編著に『日本の現場〜地方紙で読む』『希望』(旬報社)など。最新刊に『権力vs.調査報道』(共著、旬報社)、『@Fukushima 私たちの望むものは』(編著、小社刊)がある。

内容

かつては従軍記者 いまも従軍記者


「県庁の幹部人事は、副知事と総務部長、自治労幹部、新聞社の県庁キャップが一緒になって決めていた⋯⋯県警人事も同じようなことがあったと。「気に入らないあいつは飛ばしてくれ」とか、「あいつを昇進させてやってくれ」⋯⋯。そういうことを記者側が言うわけです」

「非常に優秀な記者がいて、短期間で食い込んじゃうんですね。⋯⋯その記者が特捜関係者から⋯⋯「宗男を事件にしたいが、なかなかいい材料がない⋯⋯」と。そして「これはミッションだから何かを見つけてきてくれ」って。」

(本文より)

目次

まえがき 3
第一部 崩壊する大メディア

それぞれの問題意識

神保哲生

ジャーナリズムのノウハウは公共財
大メディアの没落で切らしてはいけない

青木 理

感情的で表層的な批判は無意味
「大メディア後」に残すものを考えよう

高田昌幸

組織の保守化がメディア危機の本質
カギは「取材力をどう回復するか」にある

㈠ 大メディアの保守化と官僚主義

「おれは偉いんだ」 自分と会社を一体化 49
特権一六社 その言論支配は続く 53
新規参入に高い障壁 平然と妨害工作も 57
ちゃんと取材していないことがバレてきた 64
かつては「従軍記者」 今も「従軍記者」 69
思考も記事のスタイルもパターン化 76
㈡ 記者クラブの若い記者vsエリート官僚

エリート官僚は日々記者を「洗脳」する 86
権力に寄り添うクソのような御用記者たち 95
省庁担当の若い記者が官僚に対抗できるか 103
「持ち込みネタ」で当局と一体化する報道 108
記者「室」は死守せよ そして開放せよ 120
㈢ 報道危機の根源は事件報道

記者クラブが変われば報道は変わるか 127
世界的にも超異常な日本の警察報道 130
警察記者クラブが日本の報道をダメにする 139
「リーク」は悪くない 問題は「リーク後」 145
㈣ 取材力の劣化と蔓延する事なかれ主義

批判や提訴を怖れ、自己規制からタブーへ 149
「北朝鮮タブー」と共同通信平壌支局 156
崩れゆく既存メディア 生き残りの道はあるのか 164
ネットは記事のバラ売り 人気上位は「三面記事」 171
「一〇〇部なら怪文書 一〇〇万部なら世論」の本当の意味 176
市場原理の深化と取材力向上 両立は可能か 181

第二部 福島原発事故と報道

それぞれの問題意識

青木 理

今の大メディアは安全運転と自己規制の塊
その病理が原発事故報道で一気に露呈した

高田昌幸

「自由に書けと言われても困る」と戦前の記者
権力に従順な姿勢は何十年も変わっていない

神保哲生

予防原則を全く理解していない大メディア
「上から目線」では再生の道はない

㈠ 事故現場に近づかない本当の理由

「放射能で危険だが現場で取材を」と職務命令できるか 212
現場に近づくのは「非主流」の報道記者 223
当局の指示に従うだけの組織メディア 228
コンプライアンス・ジャーナリズムの病理 235
㈡ 原発タブーと大メディアの官僚化

経済部記者が原発担当の大メディア 242
「原発という既成事実」に切り込めない理由 248
東京発・当局発の報道が日本を覆い尽くす 253
「発表報道」は当局側に立った「偏向報道」 256
「分からないこと」を書けない大メディア 261
電力会社に媚びる新聞社は何を守っているのか 265
㈢ 事故報道で見えた大メディアの限界と今後

黎明期 原発の導入過程を報道できていたか 270
矛盾を突かず「見解一本化」を要望する大メディア 279
「内部文書」のすっぱ抜きがない事情 284
東電会見が溜飲を下げる場に? 会見開放の落とし穴 290
鬼畜米英から一夜で民主主義へ あのときと同じ危険も 301
大メディアの大敗北 教訓を今後に生かせるのか 311
【資 料】

第一部関連

記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解 320
記者会見の全面開放宣言〜記者クラブ改革へ踏み出そう〜 328
記者会見・記者室の完全開放を求めるアピール 331
記者会見・記者室の開放に関する申し入れ 333
【会館開放を求める会 5/18資料】当会申し入れに対する各報道機関からの回答 335
第二部関連

全記録/フクシマのすべて 342
福島原子力発電所事故対策統合本部の共同記者会見の実施について 353
【共同アピール】福島第一原発敷地内と「警戒地域」内での定期的な取材機会の要請 354 
細野豪志原発担当相の現地同行取材に関する申し入れ(11月2日分) 356
細野豪志原発担当相の現地同行取材に関する申し入れ(11月4日分) 357
「官制」極まった福島原発報道=白垣詔男 358
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