2/12 福島県双葉町・井戸川町長辞職へ

東京電力福島第一原発事故で埼玉県に役場機能を移している福島県双葉町の井戸川克隆町長が2月12日に辞職することになりました。
(井戸川氏の想いは「双葉町は永遠に」へ)


井戸川氏は、原発立地町の責任者として事故当初から積極的な発言を続けており、弊社刊『@Fukushima 私たちの望むものは』(高田昌幸/編)でも、事故経験や国の責任などについて率直に証言していただきました。原発事故後、井戸川氏は何を考え、行動してきたのか。以下、2011年9月上旬の町長の証言を一部抜粋します。
…… 今までは私たちも傍観者でした。今回の経験で国の制度や体制が稚拙でひどいものだと実感しました。中略。
 日本では近年、これだけ災害列島って言ってもいいくらい大災害が頻発してるのに、すべての対策が後付け。中略。
 今、(住民票を移さないまま異動先で行政サービスを受けている)私たちの行為は脱法行為に当たるんですよ。災害救助法を拡大引用してやってるだけで、法律にないことなんですよ。すべて後付けです。
 (福島県内の)子供についても線量の高さから考えて、本来なら安全な場所に避難させなきゃいけないのに、ただ校庭やグラウンドの土の表面を取っただけで数値が下がったから大丈夫だって。大人たちは今、子供たちに無理を言ってるんです。線量計つけさせて、マスクさせて。それで安全だと言う人たちは、自分の子供たちを住まわせられるのか。ひどい国ですよ……、日本って。
 計画性もありませんよね。先日報道された「放射性廃棄物の中間処理施設の県内建設計画」なんて、あまりに唐突ですよ。中略。自分のところを全然汚さないで、汚れたついでに「福島に処分場もどうですか」って。とんでもない発想している方、国会議員の中にいますね。その方のところに放射性廃棄物を持って行ってやりたいですよ。……
原発被災者の避難生活はいまも続いています。
『@Fukushima 私たちの望むものは』にはこの全文に加え、大熊町長など計61人のインタビューが掲載されています。ぜひご参照ください。

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